ホームページを今まで沢山作ってきましたが、リニューアル案件以外の方はやはり「予算重視」である場合が多く、こちらの言う「大切」な事とか「重要な事」なんていう意見は「わかっているけど・・・」とはいうもののなかなか理解を示してくれません。
昔、こんな記事を書いた事があります。
正直、高いお金をかければ「カッコイイ」「見た目が良い」ホームページが出来る可能性は高まりますが
効果の出るホームページ
ができる事は本当に少ないです。
なぜか?
それはホームページは出来てからの「運営」の中でトライ&エラーを繰り返して初めて「効果のあるホームページ」に仕上がっていくからです。
つまり、記事を書けない、編集できない何も試せないホームページが成功するなんて本当に奇跡です。
強いホームページに必要なのは「お金」では無い。
本記事は2部制となり、今回はまず「売れるホームページを作る上で大事な考え方」を解説します。
まだ会社にホームページが無い方、あるけど全く効果が出ていない方はこれを機に見直しては如何でしょうか?「高い、カッコいい、お洒落」なホームページが効果があるなんてのは大間違いです。
無料でも、手作りでも数百万円かけたホームページに勝つことは出来ます。誤解を恐れず言えば
一番効果のあるホームページは自身でしか作れません。
無料のホームページを運営してみて、どうしても自分の力だけでは足り無いものや作りたい機能が見えてから制作会社に改めてお願いするのもいいでしょう。その方が作成したい事が明確になり高いお金を無駄にせずに済みます。
ホームページを作る上で最初に考える事
「パンフレットサイト」なのか「営業サイト」にしたいのか?
ホームページを作るときにまず考えるのは「パンフレットサイト」なのか「営業サイト」にしたいのか?という事です。
通常、ホームページを作成する時は「トップページ」そして「下層ページ」がどんなものが必要かを考えます。よくある最安パターンだと
- トップ
- 会社概要
- 料金・プラン表
- サービスの流れ
- お問合せフォーム
こんな感じになります。
所謂、「パンフレットサイト」で「この会社どんな会社なんだろう?」と思ったユーザーが「会社名」で検索してくるといったそれ以上でもそれ以下でも無いサイトで、
「無いよりは良い」サイトです。
検索エンジン対策も「会社名」で上位表示すれば良いので比較的ハードルは低いですが、すでに人気で名の知れた会社やお店でもない限り効果は推して知るべし開店ガラガラです。
まずは「目的」とにかく「目的」
ホームページを作りたいという方が想像以上に意識が無いのが実は「目的」。
ホームページでどうしたいのか?
「無い」というのは語弊があるかもしれませんが、あまりにも漠然としている。「知って欲しい」「見て欲しい」、「無いと不信感がある」「上位表示したい」という程度。
勿体ない。
ホームページを作るなら
売る。
という純粋な売り上げをUPさせる「目的」を明確に持たせるべきだし持たせないと勿体ない。検索で上位に表示されたって目的が達せられなければ意味はありません。
別に、サイトでネットショッピングをしなければならないという事ではなく、サイトを見た人が確実に「買いたくなる」「利用したくなる」「使いたくなる」というそれぞれの会社、お店のゴールを実現させるようにサイトも同じ「ゴール」を設けるべきだし、その力が十二分にあるのがインターネットです。
だから、その「目的」を叶える為にどうするか?
ここで初めてホームページをどう構築していくかが検討でき、必要なモノ、情報を考える事が出来ます。
「料金のせて~、会社マップのせて~、挨拶のっけて~、サービス説明して~」という単純な意識だけのパンフレットサイトでは
勿体ないし売れない、お客様は来ないのです。
「売る」為にはどうするのか?
「売る」為にはますどうする必要があるのか?
記事を書いてOK!ではありません。
まずそれを「その商品やサービスを求めている人に情報を届ける」必要があります。当たりまえですね。
ホームページを作ったって誰もサイトを見に来ません。(チラシ配ってURL載せるなどアナログを用いれば別ですが)
ではどうやって「その商品やサービスを求めている人に情報を届ける」のか?
それは「その商品やサービスを求めている人」が検索するキーワードで表示される必要があります。これが大基本であり、あなたがこれからホームページを作っていく中で絶対に忘れてはいけない事です。
「その商品やサービスを求めている人」は誰か?
では「その商品やサービスを求めている人が検索するキーワード」をどう考えるか?
そこで次のステップ、
「ターゲット」を見極める
必要があります。
「その商品やサービス」を使う人、求める人はどんな人なのか?
ここで大事なのは、よく言われている「その商品やサービスを使う人、求める人はどんなキーワードを打つのか?」
と言う風に考えてはいけない事です。
まだです。
まだここでは考えるのは「キーワード」ではなく「人」です。
検索の向こうには人がいて、キーワードが買うわけでは無いのです。「人」があってキーワードがあるのです。
この順番を逆にすると、「◯◯ 比較」「◯◯ 方法」「◯◯ おすすめ」といった一般的な激戦ワードしか生まれませんし、ユーザーの悩みに応えられる良い記事も生まれません。
ペルソナ
人物像を想像する上で「ペルソナモデル」という言葉があります。
ユーザーを年齢、性別、好み、家族構成など細かく想定する事でターゲットを明確に洗い出します。
ペルソナモデルを作る5W2H
- Who 誰が
- Where どこで
- What 何を
- When いつ
- Why なぜ
- How mach いくらで
- How どんな風に
ペルソナを作成する事でまず見えてくるのが、というか考えなくてはいけないのがターゲットの「悩み」と「好み」です。あとは「行動範囲」「財布事情」なども戦略に取り込めます。
同じサービスを買う、利用するとしてもターゲットによって感じる「不安」「動機」は違います。そしてその違いはターゲットの数だけ存在し、つまりそれだけの「キーワード」が存在し、訴求方法も存在するという事です。
[speech_bubble type="fb" subtype="L1" icon="1.jpg" name=""]自身が知らなかった事や興味のある題材のサイトは成功しやすかったりします。これは「自分」というわかりやすしペルソナが存在する為と言えます。 [/speech_bubble]
顧客(Customer)競合(Competitor)自社(Company)の3Cを見る
さて、ユーザーに関してはペルソナで十分吟味したとして、次は自サイトの中身を考えていきましょう。
サイトの中にのせる情報はサービスや商品、目的によって正解は変わりますが
- 何のサービス(商品)なのか?
- それはどういうメリットや解決をユーザーにもたらすのか?
- 他社ではなく、自社を選ぶ理由はなんなのか?
- その根拠はなんなのか?
は絶対に必要不可欠です。いわゆるベネフィットとかUSPとか言われるものですが、まぁそんな言葉はどうでも良く、とにかくこの4つをキチンを考えてサイトにわかりやすく記載する事。
どれが欠けても商品はCV(目的を達する)しません。
サイトでは何をしてくれるのか?だけでなく、
それに伴う「疑問」「不安」を全て解決する必要
があります。
これをおざなりにしているサイトは非常に多く、「何をしてくれるのか?」は大々的に掲載するのですが、「それに伴う不安、疑問」を徹底的にケアしているサイトは少ないです。
むしろこっちの方が重要だったりしますから。
売り手の載せたい情報は豊富に載せてるがユーザーの小さな疑問、不安に答えられていない。自サイト持ってる方はぜひ見直して下さい。簡単に売り上げが倍増するかもしれません。
「それに伴う不安、疑問」は「サイズ」や「重さ」かもしれません。商品の裏側の写真かもしれません。ペルソナモデルを思い出し、また第3者の声を聞き、さらにはサイト公開後も改善していくべきポイントになります。
地図1つとってもGoogleMapは便利ですが、それのみペタンと貼るよりも一言「地下鉄3番出口より徒歩3分」という言葉があるだけでもユーザーにはとても親切だったりします。これは普段、スマートフォン等の操作に慣れて「GoogleMapがあれば十分でしょ?」という考える人では、スマホに慣れていないユーザーをきちんと想像しないと及ばない考えになります。
最重要ページ「トップページ」
ホームページは全てが入り口と言われます。それは真実ですがやはりトップページは最重要ページです。
トップページを設計する上で考えるたった1つの事は
「欲しい情報があるのか無いのか一目でわかる」
という事です。
ユーザーはくまなくサイトを内のリンクを巡回してくれたりしません。一般的に、サイトオーナーはユーザーに期待しすぎなのです。繰り返します
基本的にユーザーはまず読みません。眺めるだけです。
眺めて目に入る文字のみ認識します。(これはトップに限らず記事全体に言える事なので肝に銘じましょう。)
その中で「一目」で欲しい情報があるのか無いのか?をわかりやすく伝える、それがトップページの役割です。
何といっても、まず見てもらえるのが「トップページ」でありアクセスが一番多いのもトップページです。(そうじゃない場合は下層ページの誘導を考え直した方が良いかもしれません)よく、「何のサイトか?」を下層ページに書いているお洒落サイトがありますが僕は論外だと思います。(何のサイトか認知されているサービス、会社は別として)
とにかく、
- 何のサイトか?
- 何をしてくれるのか?
- 何の情報があるのか?
を簡潔にまとめ伝えるのがトップページの役割で、それからさらに詳細に関しては下層、下層という流れにしなければなりません。
特にスマートフォンなどでは閲覧スペースが限られており最下部までスクロールしてくれるとは限りません。
その為、出来るだけ上部(ファーストビュー)に伝えるべき事を載せる事。それはターゲットユーザーに対し「欲しい情報」がある事を早く分かりやすく伝えるという事に他なりません。
カッコいいだけのナルシストサイトにならないように注意しましょう。
ザ・コピーライティング
[amazonjs asin="4478004536" locale="JP" title="ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則"]
有名なジョン・ケープルズ著による「ザ・コピーライティグ」について触れておきます。この本は世の中にある様々なコピーライティングの良い例と悪い例を挙げながら本当に良いコピーとは何か?を学べる良書です。
悪いコピーの例(P82)
「あなたに勝ち目はほとんどない(ビジネストレーニング講座)」
「心配するばかりで人生の楽しさを忘れてはいませんか?(生命保険)」
「奥様に対してフェアですか?(生命保険)」
「堂々めぐりの毎日を送っていませんか?(家計簿)」
どの見出しも「お利口すぎる」、「上手い」と言わせるだけで商品を買いたいとは思わせられない。つまり、何が言いたいのか『何を得る』のか全く見えないという事。
つまり、賞を取るような「巧い」コピーが「売れる」コピーとイコールでは無い。
これは見出しに限らず、デザインや、写真、レイアウトなどマーケティングに関する全てに通ずる事だと肝に銘じてサイト作成もするべきだと思います。
下層ページに関して
下層ページに関してどう考えるか?ここからは「キーワード」で考えるべきだと思います。
相手は「人」だと前述しましたが、
ホームページというのは「キーワード」で出来ている
と考えて下さい。
暴論かもしれませんが特にネットやSEOに疎い方は綺麗ごと抜きでそれぐらいの気構え、意識でちょうど良いです。
現在のGoogleが仕切るインターネットでは、それぞれのページは様々な「キーワード」でユーザーが訪れます。
つまり、下層ページは「ユーザーが訪れるキーワード」で作成されたページであり、ユーザーが検索したキーワードを解決しうるページ内容でなければいけないという事です。
その先に「人」はいれど、その道中はキーワードが全てを支配しています。キーワードが入り口であり、カギなのです。
「人」の前に「キーワード」があり、「キーワード」の先にページがあり、その先に人がいる。まぁ、要は両方忘れないでって事です。ネットではSEOより人、人よりSEOという両論が見受けられますが絶対に両方意識する必要があります。
人もGoogleもちゃんと考えて作らないと結果は出ないのです。
自社のホームページに対してユーザーはどんなキーワードで訪問するのか?また、訪問して欲しいのか?商品(サービス)が解決する悩みから派生するキーワードを書きだし、全てをページにしていきます。勿論、内容が重複してはいけませんよ。
繰り返しますが、「その商品が何が出来るのか?」よりも「その商品が解決できる悩みを持つユーザーが何を求めているのか?」です。
定番ページは読んで字の通り「定番」
- 会社概要
- スタッフ紹介
- よくある質問
- ビフォーアフター
- お客様の声
- プライバシーポリシー
などの一般的に重要とされるページも外してはいけません。あって然るべきページは、それだけの意味と効果があります。
「なぜ重要か?」という説明が必要かはわかりませんが自分が「お客」である場合、売り手の「顔(スタッフ紹介)」、他のお客様の声(amazonレビューのような)、会社概要(信頼として)、素朴な疑問(よくある質問)は凄く重要ですよね?
こういったページは「あるといい」ではなく、なきゃダメなページです。
競合を見る
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
という孫子の有名な言葉があります。敵を知り、自分を知れば100回戦っても負けないという意味です。
自分が「何」と戦うのか?
敵との差別化は何なのか?
忘れてはいけませんが、人は比較し選びます。つまり、売れるには
比較の中で選ばれないといけないという
非常にシンプルで絶対的なルールがあります。
どれだけオリジナリティやオンリーワンを謳おうが、選ぶのはユーザーです。
関係ありませんし、目を逸らしてはいけません。
逆に言えば、しっかり競合を調査して「勝つ内容」を把握すれば
勝つべくして勝つ。
という事です。
これ言い過ぎではありません。あんまり競合見ても細かく比較して勝つサイト作る会社って少ないんですよね。
デザインについて
あなたが作成するデザインに必要なもの
それは”とんでもないセンス”ではありません。
- 見やすい
- わかりやすい
- 信頼できる
この3つだけです。
この3つを実現する為にサービスや商品の数だけ正解がありますが、この3つを忘れてデザインを考えているサイトも非常に多いのです。
デザインは考えて、無から生み出すセンスではなく、
既にある正解に近づける作業です。
それは「自分がどうしたいか?」ではなく「訪れるユーザー」にとって何が最適か?に他なりません。
「青が好きだから青~」ではなく、子供向けの商品であれば優しいパステルカラーに、シニア向けのサイトであればデフォルトでフォント(文字)サイズは大きめになど。たまにというかよく、文字サイズ変更ボタンが小さく掲載されているサイトがありますが本末転倒ですよね。
デフォルトは王道
ユーザーがサイトを見る目の導線に「Z」や「F」の法則が有名ですが、要するに人の動きには決まったルールが存在しそれにそったレイアウトはやはり見やすく安心できるものです。
Webデザインを行うときの視線誘導がもたらす重要性とその考え方
意味なく奇異をてらったり無理に流行を追いかけるよりも定番のレイアウトの方が効果が高いです。
[speech_bubble type="fb" subtype="L1" icon="1.jpg" name=""]時に素人っぽさは「信頼」を産みだします。それゆえ手作り感のあるサイトは効果が高い場合も往々にありますが、諸刃の剣で信頼感の無い素人っぽさもそれ以上にありますので気を付けましょう [/speech_bubble]
会社ホームページにおけるブログの運用方法
最後にビジネスブログの運用について少々。
ビジネスブログは何を書いたらいいのかわからないとよく相談を受けますが、ビジネスブログに一番必要なのは「人間味」だと思います。
人が感じにくいWebだからこそ「人間味」、その会社の人を感じられるブログが一番効果を発揮するのではないでしょうか。だからハメを外しすぎたり信頼を損なわない程度に何でも好きな事を書けば良いと思います。映画見た感想とか。
最終的には人ですから、それが大きな武器になりますよ。
間違えても、ブログで営業なんてしてはいけません。
次回の記事では「実際に自分でホームページを作成する手順」を手前味噌のWPテンプレートmicata(ミカタ)を使用してWordPressで会社のホームページを作成していく方法を紹介致します。